プラザホールでの1か月ぶりの練習です。[ふるさとの四季]の歌から、[富山に伝わる三つの民謡]、[アニーローリー]と演奏会プログラムの全曲を部分部分の修正をやりながら歌いました。
[ふるさとの四季]では、一つ一つの歌にそれぞれ性格があり、こういうところを聴いてほしいという思いをもっと強く、やりすぎにちかいところまで出したいとの講評がありました。
個別には【春の小川】は冒頭の(はーるの)の春が感じられる(は:ha)のhが聞こえてこない。拍の瞬間は母音の(a)でその直前にhをはっきり出す。【朧月夜】では、(ゆうづきかかりーて)の(て)のフェルマータの和音をはっきり決める。【茶摘み】では(あれにみえるは)の(あれ)に方向感が歌えていない、2番目の(つめよつめつめ)とははっきり立場が違うことを歌い分けたい。【村祭り】は、毎回指摘されていますが(ドーンドドンドン)体を使って横隔膜から出た母音のOがあって響かせること。次の【紅葉】への移動はト長調から半音上がった変イ長調にかわる。ト長調を引きずったまま半音上げて不安定な歌になっている。プラットホームが半音上がったことを明確に意識して歌うこと。
[富山に伝わる三つの民謡]では、前回も指摘されましたが【むぎや】のさいごの(ジャントコイコイ)が口先だけの苦しい発声なっている。精神的に疲れてきて体を使う意識が薄れてきている。横隔膜から出す(a)に立ち上がる瞬間の前にJがつき(じゃん)と体を使って歌えば、むしろ発声が楽になる。
【むぎや】の冒頭のテノールのハミング(m)の半音ずつの降下の部分は、この部分は最もテノールの聞かせどころ。対応するソプラノ、アルトのの(ながいふゆが)の(が)はよく指摘されるように下から持ち上げずに歌うこと。
【こきりこ】では33pの(うたったものかー)のピッチが不安定になるので注意、34p最終章からの(ルルルル)は単に歌ってはダメで、何かが聞こえる、どこからかいにしえの歌が聞こえてくるという回想シーンを意識して、つぎの現実世界の(まーどのさんさも)をダイナミックに歌い継いでゆく。
[ローレライ]では、【アニーローリー】で冒頭の(あさつゆ)の(あ)は単なる出だしの(あ)ではなく朝露であることを明瞭に、男声パートの(かぜにゆれーてた)からはもっと想いを強く歌うこと。
最後に綺麗な声で、正確な音程で歌うことよりもむしろ、それぞれの歌を徹底的に好きになって「この歌は素敵な歌でしょう」「この素敵な歌を皆さんに聞いていただきたい」という熱い想いを届けることが最も大切。[富山に伝わる三つの民謡]はまだ歌うことが精いっぱいで,もう一歩のところ、それぞれの歌をとことん愛してやってもらいたいとの励ましを頂いた。
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